耕作放棄地の増加や高齢化など農業衰退が著しく進行する中で、食品業界の活性化による地域振興を目指す小豆島食材開発会議が中心となり、農家、企業がその叡智と協働により“小豆島らしい特産品”づくりを目指す取り組みです。
農業生産者と加工企業が直接協力し取り組むこの事業には、栽培から製品開発までの幅広い範囲で小豆農業改良普及センターの格段の支援のもとおこなわれています。
また、小豆島の気候や風土に合う新たな栽培品種を香川大学 農学部の協力のもと選定し、より小豆島らしい原料として「長命草」に光明を見出しました。
栄養価の高いことで知られる長命草。香川県発酵食品研究所の協力のもと「しょうどしま長命草」の栄養分析をおこない、食材としても原料としても価値あることが再確認できました。また、大学や研究機関により健康への高い影響力を研究。さらには、さまざまな文献を根気よく調べ、紐解き、その栄養価を活かすことのできる原料加工も厳選。より魅力のある素材として「しょうどしま長命草」の活用を進めています。
醤油醸造業の盛んな食品クラスターでも知られる小豆島において、その副産物である“醤油粕”を活用した、より魅力的で栄養価の高い長命草栽培を研究し、ようやくその生産結果に良い徴候が見られるようになるなど、着実に進行してきました。
また、各家庭の健康を食の観点から健康づくりに取り組む活動をおこなう食生活改善推進協議会にもご協力をいただき、家庭や飲食店でのレシピ開発に取り組んでいただいています。
さらには、小豆島町内の小中学校でのPR活動もおこないながら、その認知度アップに取り組んでいます。プロジェクト開始から約 5 年目にして、少しずつ島内でも認知度が高まり始め、今では“まるごと小豆島”での取り組みを目指し、さまざまな活動や取り組みをおこなっています。
原料は地元企業が活用することで栽培農家の安定した収入に繋がり始めています。
また、これまでは利用価値の低かった醤油粕を活用することで、「しょうどしま長命草」の生育に良い影響を及ぼすことが研究で明らかになりつつあります。さらに、「長命草まんじゅう」などのレシピ開発や「しょうどしま長命草」を活用した小豆島らしい製品開発も頻繁になってきました。
これからの課題として、さらなる健康への影響についての研究を進め、認知度を高め、より魅力的な
素材として広がっていくことを目指しています。