小豆島を元気に!日本の皆さんを元気に!しょうどしま長命草プロジェクト

香川大学農学部 応用生物科学科 生物資源生産学 教授 東江 栄先生

塩生植物である長命草は、小豆島の地に適した野菜です。

香川大学農学部外観

醤油を搾った粕が、長命草の栄養価を高める。

 私は25年間、アイスプラントに代表される塩生植物について研究を続けてきました。塩生植物とは、南アフリカ原産のアイスプラントのように、他の植物が育たないような海水のような塩分濃度の高い地でも生きていける植物のことをいいます。塩生植物はそのような過酷な環境に適応する過程で、浸透圧を調節したり、活性酸素を除去したり、水分を保持したりとさまざまな物質を作り出していきます。植物が自分のために生み出したそうした高機能性物質は、じつはそれを食べる人間にとっても有益なのです。
 小豆島の長命草も塩生植物です。瀬戸内海に囲まれた島でオリーブに次いで栽培できるものはないかということで、モリンガやオカワカメなどいくつか提案しました。そのなかでも病害虫がつかず、沿岸でも育てやすくて収益性も高い長命草は、島の条件に一番ぴったりだったんです。さらに醤油が特産の小豆島では、醤油を造る過程で醤油粕がたくさん出るのですが、それを肥料として有効に再利用でき、長命草の栄養価も高まります。まさに小豆島で栽培するにはうってつけの野菜といえます。

醤油や佃煮づくりの伝統を活かした商品づくり。

 ご存知のように小豆島には、食品加工のノウハウをもつ昔からの醤油醸造元や佃煮加工業者がたくさんいます。原料さえあればなんでもできます。長命草を中心に、同業者同士の利害関係を越えたところで横のつながりをつくろう、自分だけの利益を優先するのではなく、島全体の利益を考える、ひいては自分の利益にもなっていく、そんな団体を造ろうと結成されたのが「小豆島食材開発会議」です。
 小豆島の佃煮産業の発展に大きく貢献した創業72年のタケサンや醤油のもととなるもろみを造る島醸など錚々たる顔ぶれが揃いました。いずれも伝統を受け継ぎ、ものづくりをしている企業です。それぞれが得意なことで協力していき、新しいアイデアや情報を出して共有し、それがフィードバックされて商品化につながる、そういうことを目的にして活動しています。
 これまでお茶やうどんなどが商品化されています。長命草は天ぷらにしても美味しいですが、今後は新芽だけのパックはできないだろうか、新芽の佃煮はどうかなとさまざまなアイデアを出して取り組んでいるところです。

長命草プロジェクトの成功が、第2、第3の農産物への扉を開く。

 いまは長命草をモデルとして道を作っている途中だと考えています。これからの小豆島の農業や産業や島民の暮らしを守るために、そして島の観光にもつなげていくためには、まず長命草を商品化してモデルづくりを構築していくことがなにより重要です。
 長命草プロジェクトの成功が、今後、第2、第3の長命草のような他の農産物を生み出していきます。そのために研究機関のどこにつなげたらよいか、誰と手を組めば良いか、プロジェクト発足当初からもこれからも、そうしたアイデアや情報を出す努力は今後も惜しまないつもりです。

プロフィール

東江 栄先生

東江 栄先生
香川大学農学部 応用生物科学科 生物資源生産学
農学博士

アイスプラントに代表される塩生植物を主体に植物のストレス反応・耐性機構、野生植物資源の農業利用に関する研究を行っている。海水でも育つ高い耐塩性アイスプラントの食用の商品化を実現した。

島の未来をかけて、新産業へ挑戦。「しょうどしま長命草」への挑戦。

「しょうどしま長命草」プロジェクトは、「まるごと小豆島」の叡智と協働により食で健康をかなえる取り組みです。

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